1.血流を改善する効果
ギンコライドの働きには、血流を改善する効果があります。
この効果はギンコライドが持つ抗酸化作用とPAFを抑制する作用が掛け合わさって発揮されると考えられています。
ギンコライドが持つ抗酸化作用によって除去される活性酸素には、悪玉(LDL)コレステロールを生成する作用があるといわれています。
悪玉(LDL)コレステロールは、血管の内壁に付着し、血行を悪くする原因となる物質です。
ギンコライドは活性酸素を除去する働きがあるため、血中の悪玉(LDL)コレステロールを減少させる効果があるといえます。
また、過剰に分泌されたPAFは血栓をつくり出す原因となり、血流を悪くするといわれているため、ギンコライドの持つPAFを抑制する作用も、血流改善に効果的です。
ギンコライドがPAFの作用を抑制することによって、血栓の生成が妨げられ、血液のスムーズな流れを促進するのです。
ギンコライドは、この2つの働きが相互的に作用するため、血流を改善する効果があるといえます。

2.動脈硬化を予防する効果
ギンコライドの血流を改善する効果は、動脈硬化の発症を予防することにつながっています。
動脈硬化とは、本来は弾力性のある動脈の内壁に血栓などが付着することで、動脈壁が厚く、硬くなる症状です。
動脈硬化は脳梗塞や心筋梗塞、高血圧や腎機能障害などにつながり、病気が進行すると命に関わる危険性も示唆されています。
ギンコライドには、PAFの作用を阻害する働きがあるため、血栓の生成を抑制し、動脈硬化を予防する効果が期待されています。

3.冷え性を改善する効果
ギンコライドは、末梢血管における血行障害であるといわれている、冷え性の改善に効果的です。
冷え性には様々な原因があり、偏った食生活やエアコン等の機器による自律神経の機能不良、運動不足による筋力の低下などが挙げられます。
冷え性になると、手足が冷えるという症状以外にも、頭痛や肩こりが酷くなる、風邪を引きやすくなる、腹痛や下痢が多くなる、肌荒れが酷くなるなど様々な弊害的な症状が生じます。
ギンコライドには血流を改善する作用があるため、冷え性の根本的な原因である血行不良を解消し、症状を緩和する効果があるといえます。
また、ギンコライドが持つ、女性ホルモンの分泌を促す作用も冷え性の改善に効果的です。
これは、冷え性の原因のひとつでもある自律神経の乱れが、女性ホルモンのバランスと密接に関係しているためです。
ギンコライドを摂取することで女性ホルモンのバランスを良好に保ち、自律神経の機能を正常化し、冷え性の改善に効果を発揮するのです。

 

4.認知症を予防する効果
ギンコライドには、認知症を予防する効果があります。
認知症とは、脳の障害によって知的能力が著しく低下する症状の総称で、原因は諸説ありますが、詳しいことは未だ明確になっていません。
ギンコライドが持つ強力な抗酸化作用は、主に脳細胞に作用するといわれており、活性酸素によって生じ得る脳の障害を予防することができます。
また、ギンコライドには血流を改善する効果もあるため、認知症の原因のひとつでもある脳梗塞を予防することにもつながります。
ギンコライドの働きは、脳の細胞や末梢血管に対して働きかけ、認知症の発症を予防する効果があると考えられています。

5.アレルギー症状や炎症を緩和する効果
ギンコライドが持つPAFを阻害する働きは、アレルギー症状や炎症をやわらげることができると考えられています。
PAFには、血小板を凝集する働き以外にも、アレルギー反応に対する作用が知られており、本来は人間の体に必要な物質ですが、過剰に分泌されたPAFは、急性の炎症が生じる原因にもなります。
PAFは、人間の免疫細胞にある受容体と合体し、アレルギーなどによる炎症を引き起こします。
受容体とは、神経伝達物質[※5]やウイルスなどと合体して作用する物質で、レセプターと呼ばれる場合もあります。
ギンコライドは、PAFより先に受容体と合体することができるため、PAFと受容体との合体を阻止することから、アレルギー反応による炎症を抑えることができると考えられています。
ギンコライドが持つこのような働きは、花粉症などに関する治療薬と同じであり、体内で起きる様々な免疫作用の調整に役立つことが分かっています。
また、炎症を抑制するギンコライドの働きは、臓器移植による拒絶反応を消去する効果にもつながる可能性が示唆されており、世界中でギンコライドの研究が進められています。
6.緑内障を予防する効果
緑内障は視野欠損と血流の悪化が病気の特徴といわれますが、ギンコライドが豊富なイチョウ葉エキスを摂取することにより、視野欠損の予防と血流改善が認められたという研究報告もあります。
これらの結果より、ギンコライドを含むイチョウ葉には緑内障予防が期待されています。

イチョウ葉イラスト