バナバはミソハギ科サルスベリ属の落葉高木で、インド、東南アジアから北オーストラリアまでの熱帯地域に分布します。
日本で夏に咲くサルスベリ(百日紅)と同属で、高さが5~10mになり、葉の形は卵形で、色は濃緑色をしています。
バナバの花は匙形でしわが多く、朝は淡紅色で夕方に紫色に変化します。
バナバの葉を乾燥させて煮だした茶は『女王でも手の届かないお茶』と呼ばれていますが、フィリピンではどこにでも生えているありふれた植物です。バナバとは、フィリピンのタガログ語での愛称です。日本では、大花サルスベリともいわれていますが、バナバが一般的です。
フィリピンではバナバを観賞用植物として庭先に植えたり、薬用植物としてバナバ茶として飲みます。また、一部の地域では煮出した葉や種を食べる習慣もあるといわれています。
バナバの歴史は古く、一説によると、約1000年前から健康維持のために健康茶として飲まれていたと伝えられています。
バナバ葉には、カフェインが含まれていませんので、子どもや妊婦の方でも安心して摂取することができます。
また近年ではバナバの抽出エキスがサプリメントとして販売され、広く生活習慣病予防に利用されています。
バナバは、豊富な栄養素とその効果により、フィリピンで1987年に薬用植物の指定を受けています。
バナバの葉には天然の微量元素やミネラルも豊富で、中でも食物繊維が乾燥バナバ葉100g中に約50gと豊富に含まれています。
バナバ葉の成分分析では、主成分はタンニン、グルコース、配糖体ですが、インスリンに似た働きをもつコロソリン酸という物質も含まれていることが発見されました。
このコロソリン酸は他の茶葉には見られない成分で、血糖値を下げる働きをします。
他の健康茶と比較すると、微量元素のカルシウムやカリウム、マグネシウムが多く含まれています。
ミネラルは人間の活動に欠かせない成分であり、不足することにより骨粗しょう症や肌荒れ、貧血、肥満、睡眠障害、疲労蓄積などの様々な悪影響が生まれます。
さらに、バナバには植物には珍しく亜鉛が含まれていることも特徴のひとつです。