アマランサスとは南米ペルーが原産のヒユ科ヒユ属の植物の総称で、花を楽しむための観賞用として栽培されたり、種子を穀物として食べるためにも栽培されています。そして、アマランサスの種子はひえやあわ、きびといったイネ科の雑穀類と形や大きさが良く似ていますが、アマランサスは疑似雑穀と呼ばれる分類に属します。
アマランサスの語源はギリシャ語の『アマラントス』、
【(花が)しおれることがない】が語源で、非常に長い歴史を誇り、およそ紀元前5,000年頃から食用にされていたといいます。その後、古代南米のインカ帝国でもトウモロコシや豆類と同様に、アマランサスは重要作物として栽培されていました。
ですが一時、アマランサスはその特異な花の形状のため、邪教の象徴としてキリスト教の布教を目指したスペイン人の手によって絶滅の危機にまでひんし、およそ400年間『幻の作物』となっていました。
日本へは江戸時代ごろに観賞用として伝わってきましたが、近年での健康食ブームによって注目が集まり、アマランサスは『スーパーグレイン(驚異の穀物)』と呼ばれるほど栄養価が高いことが知られるようになって、日本では健康食品としても販売されるようになってきました。
また、アマランサスはアレルギー反応が少ないことでも注目され、20年以上も前からアメリカではアレルギー疾患用の食品としても栽培されています。