馬の油の由来

馬の油の薬効は、そもそも中国にそのルーツを辿ることができます。
5~6世紀頃の中国の医師、陶弘景の著書『名医別録』には「馬の油は髪を生ず」と書かれています。
また16世紀頃の同じ中国の医師、李時珍が著した薬物学書『本草綱目』には、「シミ・ソバカスの除去、肌荒れ治療、筋肉痙攣の緩和」などの馬の油の効果が書き記してあり、これらの書物から、5~6世紀頃の中国では、すでに馬の油が薬用として使われていたものと推測できます。

では、日本で馬の油が皮膚のトラブルに使われはじめたのは
いつ頃からだったのでしょうか?

それを伝える明確な文献が実はありません。
ただ、奈良時代、日本に渡来した唐の名僧「鑑真和尚」の一行が薩摩に上陸して奈良の都に北上する途中、大宰府で馬の油の効用を伝承していったと、語り継がれてきました。
昔から、馬とかかわりの深い大宰府・筑紫野地方では、馬肉を食する習慣があり、「火傷や怪我には馬の油が一番」と、噂されていました。

馬の油の由来