チアシードは、メキシコ原産のシソ科ミント属サルビアの植物の種子です。チアシードの学名はSalvia hispanicaと言い、種名のSalviaは「save」の「救う」を意味しています。このチアシードは1mmほどの大きさの黒褐色の種子で吸水性を持っており、水分を含むと周りにゼリー状の膜を生成し膨張します。このことからチアシードは胃腸内で水分を含んで膨張するので膨満感を得やすいと言われています。チアシードには不溶性食物繊維が含まれるため整腸作用があると言われています。そのほかにも、チアシードは必須脂肪酸のα-リノレン酸が豊富に含まれているため、生活習慣病の予防にも有益であると言われています。またカルシウム、鉄分、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルを豊富に含んでおり、骨粗しょう症や味覚障害、免疫力の向上にも効果的と言われています。このような様々な健康成分がバランスよく配合されているチアシードは近年アメリカを中心に使用されるようになり、飲み物などに入れて飲まれています。そのため需要がとても多くなり、現在では主に南米で栽培されるようになりました。
●チアシードの歴史
チアシードは中央メキシコでは、紀元前1000年頃から古代マヤ・アステカではとうもろこし、豆類などともに主要食物として摂取されていました。そのため、メキシコの先住民族には心臓病、高血圧、糖尿病が少なかったとの伝承があったといわれていますが、16世紀にスペインの征服により、この食文化は途絶えました。しかし近年、チアシードは、栄養バランスに優れているほか、ミネラルが豊富に含まれていることがわかったため、アメリカを中心として世界中で需要が増え、南米を中心に有機栽培が行われるようになったといわれています。