ネトルは、イラクサ科イラクサ属の多年性植物で、成長すると高さは30~50cm程度になります。ネトルの茎や葉の表面にある毛のような細かいトゲは、刺さると焼けるような痛く、皮膚が赤く腫れます。
原産地はヨーロッパからアジアにかけてで、全草を民間薬として利用してきました。また、料理や薬用ハーブ、コンパニオンプランツとしても利用されています。
日本ではイラクサとして知られており、根、茎、葉のどの部分にも良い成分が含まれています。近年では健康食品の素材としても注目されています。
ハーブティーにすると、緑茶に近いふんわりとした草の香りを持ちます。単独でも利用されますが、症状に合わせて他のハーブとブレンドすることでより効果を発揮します。
●ネトルに含まれる成分と性質
ネトルの葉には、β-カロテンやビタミンC、葉酸などのビタミンや、鉄やカルシウム、マグネシウムなどのミネラル、またクロロフィル、フラボノイドなどさまざまな栄養素が含まれます。
ネトルはクロロフィルを豊富に含むことから、古くから浄血や造血に用いられてきました。浄血の働きからアトピーや花粉症などのアレルギー疾患に効果があるとされ、ドイツでは春季療法として春先のアレルギーや肌荒れ予防にネトルティーが利用されています。またフラボノイドもアレルギーに良いとされるため、花粉症の季節にはネトルティーが特に多く飲まれます。
根には多糖類や植物ステロールが含まれ、良性の前立腺肥大による症状の緩和に用いられます。
また、トゲにはアレルギーの原因物質であるヒスタミンやアセチルコリンなどの成分が含まれます。