りんごには、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸、カリウムなどのミネラル類、食物繊維の一種であるペクチン、りんごポリフェノールなどが含まれているため、以下のような健康に対する効果が期待されています。
1.生活習慣病を予防する効果
りんごには、脂質の酸化を防ぐことで血流を改善する効果があります。
脂質が酸化すると、体内に悪玉(LDL)コレステロールが増え、血液がドロドロになります。そのためアテローム性動脈硬化などの生活習慣病につながる危険性が高まります。アテローム性動脈硬化になると、増えすぎた悪玉(LDL)コレステロールが血管壁に付着し、隆起 (プラーク) 形成され、血液が流れにくくなったり、そのプラークとともに血栓を形成したりします。
りんごに含まれるりんごポリフェノールは、その強い抗酸化力で脂質の酸化を防ぐため、血流を改善し、動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果があるといえます。
さらに、りんごに豊富に含まれるペクチンには、急激な血糖値の上昇を抑える働きがあるため、高血糖が原因で起こる糖尿病の予防や進行を抑えることに効果的であると考えられています。
2.高血圧を予防・改善する効果
りんごにはカリウムが豊富に含まれています。
カリウムは体内でナトリウムとバランスを取り合って、血圧を正常に保つ働きをしています。
味の濃い食事などによって過剰に塩分を摂り続けると血液中のナトリウムが増え、高血圧を引き起こす原因となります。りんごにはナトリウムを体外に排泄する働きも持つカリウムが含まれているため、高血圧の予防・改善に効果が期待されています。
3.便秘や下痢を解消する効果
りんごには、ペクチンが豊富に含まれています。
ペクチンには、腸内の善玉菌[※3]である乳酸菌を増やし、腸の調子を整える働きがあります。また、強い粘性を持っており、腸内の有害物質を吸着させて一緒に体外に排泄する働きもあるため、便秘や下痢の解消に効果があります。
3.美肌・美白効果
シミやそばかすの原因として、メラニン色素の形成が挙げられます。紫外線などの影響によりつくられたメラニン色素は、皮膚細胞の生まれ変わりとともに剥がれ落ちていきますが、年齢を重ねるにつれこのサイクルが遅くなります。それにより、皮膚の表面にメラニン色素が残り、シミやそばかすが形成されます。りんごに含まれるりんごポリフェノールには、皮膚細胞の酸化を抑制しメラニン色素の過剰な生成を防ぐ働きがあります。そのため、肌のシミやそばかすを防ぎ、美白・美肌に効果があると考えられています。
4.アレルギーを緩和する効果
りんごには、アレルギーを緩和する効果があると期待されています。
アレルギーとは、特定の刺激に対して免疫反応が過剰に起こることをいいます。りんごに含まれるりんごポリフェノールやペクチンには、この過剰反応を抑制する効果があることが研究により明らかとなっています。
5.ダイエット効果
りんごに含まれるりんごポリフェノールには、脂肪を分解する酵素であるリパーゼの活性を抑制する働きがあるため、食事で摂取した脂肪分が小腸から吸収されることを防ぎ、排泄する働きがあります。また、肝臓にある脂肪を合成する脂肪酸合成酵素の働きを抑制し、脂肪をエネルギー源として燃やす酵素を活性化させる働きがあります。また、りんごには、安定した血糖値を維持する働きがあるため、空腹感を感じさせにくくする効果があります。そのため、りんごはダイエットに効果的であると考えられています。
6.疲労回復効果
りんごには、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸が豊富に含まれます。
激しい運動やストレス、不規則な生活によって細胞が酸欠状態になることで疲労物質である乳酸が蓄積します。クエン酸やリンゴ酸は乳酸を分解しエネルギーに変える働きがあるため、疲労の蓄積を抑制し、疲労の回復を早める効果があります。
7.むくみを予防・改善する効果
りんごに含まれるカリウムには、体内の余分な水分を排出する働きがあります。そのため、細胞間に溜まる水分が原因で起こるむくみの予防や改善に効果を発揮します。
百薬の長といわれる りんご しっかり食べていきたいもんですね!