葉緑素研究の歴史は古く、1817年にピエール・ジョセフ・ペルティエらが植物から抽出した緑色色素をクロロフィルと命名したことに端を発し、分子構造の解明が開始されました。
クロロフィルを純粋に分離することは困難を極めましたが、ドイツの生化学者・ウィルシュテッターらがクロロフィルを単体で分離することに成功して分子構造を明らかにし、1915年にノーベル化学賞を受賞しました。その後、クロロフィル分子全体の正しい構造式を決定するためにドイツのハンス・フィッシャーらが研究に取り組み、1939年に正しい構造式が発表されました。フィッシャーもこの業績により1930年にノーベル化学賞を受賞しています。
医学分野においては、葉緑素に脱臭作用があることは古くから知られており、造血機能の促進(1919年)、細胞を活発化させ創傷や潰瘍の治癒を促進させる効果(1922年)があることが医学論文で報告されています。葉緑素の薬理効果について多方面で研究されるようになり、1966年頃より数多くの医学効果が確認され、発表されるようになりました。
●葉緑素を多く含む食品としては?
植物の葉が緑色に見えるのはこの葉緑素を豊富に含んでいるためです。葉緑素が含まれている食品は、青菜や緑黄色野菜、海藻などが挙げられます。これらは太陽光に当たるほど葉緑素が増えて色が濃くなり、緑の色が濃くるなるほど葉緑素が多く含まれていることになります。