ハトムギは、中国南部やインドシナ半島などの南アジアを原産とするイネ科ジュズダマ属の植物で、茎の高さは約1~1.5mにまで成長します。ハトムギという名前は、鳩が好んで身を食べたことから明治以降に名付けられたといわれています。
ハトムギの殻を除いて乾燥したものは、「ヨクイニン」と呼ばれ、生薬として用います。ヨクイニンは体の余分な水分を排出する働きがあるため、むくみや下痢などに用いられてきました。
ハトムギは精米に比べて2倍以上ものたんぱく質や、約8倍もの食物繊維を含み、そのほかにも脂質やカルシウム、鉄、ビタミンB1、ビタミンB2などを豊富に含んでいます。体に必要な栄養素を豊富に含んでいるため、健康維持に働きかけます。
また、ハトムギは古くから胃腸の調子を整え、胃もたれや食欲不振を抑える効果が知られており、薬膳料理では代謝を高めて毒素を排出するものとして利用されています。さらに、民間療法では美肌の維持や利尿作用の効果が期待され、化粧品やお茶などに利用されています。