メグスリノキは、日本国内にのみ自生しており、本州では宮城・山形県以南、四国、九州の標高700m前後の産地に自生するカエデ科カエデ属の広葉樹で、樹高が10~25mの落葉高木です。イチョウのように雌雄異株で、5月~6月にかけて雌花、雄花ともに淡黄色の花を咲かせます。
古来より民間薬として親しまれ、メグスリノキの樹皮や葉を煎じた汁で洗眼すると眼病予防に効果があるということから、メグスリノキと名付けられました。自生する地域によっては、チョウジャノキ、センリガンノキ、ミツバナとも呼ばれています。
学名であるAcer nikoense Maximという名前は、江戸時代の終わり頃に世界的植物学者であるロシアのマキシモウィッチが函館に滞在した際、岩手県出身の須川長之助を助手として、日本各地で植物採集を行い、栃木県日光でメグスリノキを採取したことに由来して、「日光」という地名が入っています。
中国にはない日本の固有種であるため、漢字(中国)名はなく、カタカナで「メグスリノキ」と記されます。