●基本情報
プーアール茶は、製造工程で微生物や黒麹菌を茶葉に繁殖させてつくるお茶で、様々な形に固めた固形茶や散茶があります。独特の熟成された味わいと香りが特徴です。名前の由来は中国雲南省の普洱(プーアル)地区を集散地[※1]とすることによります。プーアール茶は雲南省の雲南大葉種という品種から採れる茶葉を後発酵してつくられます。プーアール茶は、発酵という特徴的な工程を経ることにより脂肪の分解や消化促進の働きがあり油分の多い食事の後に飲むと最適だと注目されています。
●プーアール茶の種類
プーアール茶の形状は大きく分けると散茶と緊圧茶(固形茶)に分けられ、さらに緊圧茶には、餅茶(びんちゃ、または、へいちゃ)、沱茶(だちゃ)、磚茶(たんちゃ)、竹筒茶、方茶などがあります。「散茶」は、茶葉を固めずにそのまま仕上げたものです。日本でも一番よく見かけ、馴染みがあるのがこのタイプです。中華料理店で出されるプーアール茶もこのお茶です。後発酵特有のまろやかな甘みと深いセピア色の色味が特徴です。
「餅茶」は大きさによって大餅・中餅・小餅があり茶葉を円盤型に緊圧形成したものです。その他コイン状の小さいものなどは「豆」と呼ばれたりします。まろやかな味でブランデーのような芳香を持つものもあります。つくられてからの年月が長いものは希少価値がつくこともあります。「沱茶」は、お椀型に緊圧形成したもので、ナイフなどで削って入れます。小さいものは小沱茶と呼びます。菊花をブレンドした菊普洱小沱茶もあり、さっぱりとした口当たりが特徴です。「磚茶」は、レンガ状に緊圧形成したものです。意外と歴史は浅く、実はこのような形に形成されるようになったのは1957年以降のことです。「方茶」は正方形に緊圧形成したものです。「竹筒茶」とは、香竹と呼ばれる香りの良い竹の筒に入れたもので、「竹殻茶」と呼ばれるは粉茶を竹の子の皮に団子状に包んだものなどもあります。
●プーアール茶の製造方法
プーアール茶は中国茶の中でも後発酵でつくられる黒茶の一種です。黒茶は茶葉に熱を加えて酸化酵素の働きを止める「殺青(さっせい)」の作業を行った後、茶葉を手でもんで成形する「揉捻(じゅうねん)」という作業を行います。この後、水分を含んだ多湿状態に茶葉をさらし、微生物や菌を繁殖させる渥堆(あくたい)という作業を行います。
渥堆の時の作業場や工場の環境によって空気中の微生物の種類が異なるため、プーアール茶はつくられた環境によって風味が異なるといわれています。
渥堆が済んだ茶葉は乾燥させ、プーアール茶が完成します。
●プーアール茶に含まれる成分と性質
プーアール茶は茶葉特有の後発酵の働きにより、脂肪分解酵素であるリパーゼ[※2]が発生し、余分な脂肪分を分解、排出する効果が期待されています。さらに、プーアール茶に含まれる熟成茶重合カテキンには、脂肪吸収を抑える効果が知られており、ダイエットのリバウンドを抑制する効果があると注目されています。他にも、リパーゼを活性化する必須アミノ酸や、エネルギー代謝を促進する鉄なども含まれます。
また、水分の排出を促してむくみを予防したり、発汗作用による風邪の予防にも効果が期待されます。
[※1:集散地とは、生産地から産物を集めて、様々な消費地へ送り出す地点のことです。]
[※2:リパーゼとは、脂質を分解し、体内に吸収しやすくする消化酵素です。]

http://item.rakuten.co.jp/tomorrowflavor/203109197/

プーアル茶 (2)