ビルベリーには、視機能を改善する働きや非常に強い抗酸化力を持つアントシアニンや、お腹の調子を整えてくれる食物繊維が豊富に含まれており、以下のような健康に対する働きが期待できます。
1.視機能を改善する効果
第二次世界大戦中のエピソードをきっかけに、イタリアやフランスでブルーベリーの機能性の研究が始まりました。
その後、研究を進めるうちに、ビルベリーに多く含まれる色素である「アントシアニン」が、見る力をサポートするということがわかりました。
ものを見るときには、目に入ってきた映像を目の網膜(カメラにおけるフイルムのようなところ)に映し出します。
この網膜には「ロドプシン」というたんぱく質が存在し、このロドプシンが分解されることにより発生する電気信号が脳に伝わり、「目が見える」と感じます。
ロドプシンは再合成と分解を繰り返しますが、疲れや加齢により、ロドプシンの再合成能力は低下していきます。
アントシアニンは、このロドプシンの再合成を促し、ロドプシンの再合成の遅れが原因の目のしょぼつきや、かすみ、ぼやけを予防、改善できるといわれています。
特に、ビルベリーのアントシアニン(VMA)を摂取することにより、夜間の視力が向上する、暗いところでの視力の早い順応を促進する、眩しい光に晒された後、視力が回復するまでの時間が短くなるなどの研究結果が出ています。
また、加齢性白内障のレンズの濁りの進行を抑制するともいわれています。

2.活性酸素を除去する効果
近年、ガンや脳卒中などの生活習慣病は大きな社会問題となっています。この生活習慣病の発病には、高い確率で活性酸素が関与しています。
活性酸素は、紫外線や喫煙、ストレスなどが原因で体内に発生し、細胞や血管など体の様々なところにダメージを与えます。
また、活性酸素は生活習慣病だけでなく、老化やその他の病気を引き起こす原因だといわれています。
ビルベリーに含まれるアントシアニンには、この抗酸化作用という活性酸素を除去する力があるということが発見されました。
さらに、様々な野菜や果物で抗酸化力を測定した結果、ビルベリーが持つ抗酸化力は、トップクラスであることが分かったのです。
また、ビルベリーに含まれるアントシアニンは、その含有量だけでなく、特に強い抗酸化作用を持つといわれているデルフィニジン系やシアニジン系のアントシアニンを豊富に含んでいるなど、ブルーベリーの中でも、アントシアニンのバランスが他の品種に比べて良いという特徴があります。

3.ブルーライトのダメージを抑える働き
パソコンやスマートフォンなどの液晶画面は、ブルーライトと呼ばれる波長が短くエネルギーの高い光が発せられています。
ブルーライトは、体内時計を狂わせたり目の疲れの原因となったりといった体へのダメージを与えることがあると考えられています。
ビルベリーには、ブルーライトから受ける細胞のダメージを抑える効果があることが研究されています。

4.糖尿病性網膜症を予防する効果
ビルベリーに含まれるデルフィニジン系のアントシアニンには、毛細血管を保護し、強化する働きがあります。
毛細血管は目にも多く存在し、酸素や栄養を行き渡らせています。
アントシアニンを摂取すると、目の毛細血管が丈夫になり、血管が破れにくくなります。
また、アントシアニンは血糖値の上昇を抑える働きがあるという研究結果も出ています。
このことからアントシアニンの摂取は、糖尿病網膜症の予防に効果的だと考えられます。
5.血流を改善する効果
血流が滞ると、肩こりや手足の冷え、免疫力の低下など様々な症状が現れます。
ブルーベリーに含まれるアントシアニンには、ビタミンPに似た働きがあります。
血液中の成分である血小板の凝固を抑制してくれるので、血液の流れを良くし、血管の保護や強化、循環機能の改善が期待できます。

6.メタボリックシンドロームを予防する効果
メタボリックシンドロームとは特に内臓に脂肪が溜まり、高血糖、高血圧、糖尿病、動脈硬化など様々な生活習慣病が起こりやすくなった状態をいいます。
40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームまたはメタボリックシンドローム予備軍と考えられています。
この危険なメタボリックシンドロームを、アントシアニンが防いでくれるという研究結果が出ています。

7.腸内環境を整える効果
ビルベリーは種子も果皮も一緒に食べられる果実です。そのため、ビルベリーの果実を食べることにより、果実に含まれる食物繊維を残さず摂ることができます。
また、ビルベリーの果実には、2種類の食物繊維(水溶性食物繊維・不溶性食物繊維)が含まれます。
この2種類の食物繊維を摂ることにより、小腸(摂った栄養素を吸収する臓器)での糖やコレステロールの吸収を抑えることができます。
食物繊維は腸内で発生する有害物質の生成を抑えるため、食物繊維の摂取は腸内環境の改善にも効果的です。腸内環境を整えることにより、大腸ガンの予防にも役立ちます。
また、ビルベリーの果実には、ポリフェノールの一種タンニンと、水溶性食物繊維のペクチンが含まれています。
タンニンには「収れん作用」という作用があり、荒れてしまった腸の粘膜を保護してくれる作用があります。
また、ペクチンには便の中の水分を吸い取って便の硬さを調整してくれる機能があります。
おなかがゆるい際には、ブルーベリーやビルベリーのジャムを食べるのも良いでしょう。
ビルベリーに結腸炎の予防に役立つ研究も報告されており、腸内環境の維持に役立つと考えられています。

8.花粉症を予防する効果
花粉症を発症する前にビルベリーを摂っておくと、くしゃみや鼻水・目のかゆみの原因となる「ヒスタミン」の量を減らし、花粉症を予防する働きがあるといわれています。また花粉症などアレルギーに対して、ビルベリーが予防に役立つという報告もされており、アレルギー予防効果に期待されています。

9コラーゲンを安定させる効果
コラーゲンは肌や関節だけでなく目にも豊富に含まれています。
ビルベリーに含まれるアントシアニンは、コラーゲン同士を強く結合させ、さらにコラーゲンを分解する酵素(コラゲナーゼ)の働きを抑制すると報告されています。

10.炎症を抑制する効果
アントシアニンには、炎症の発生に関与する酵素(5-リポキシゲナーゼ)の働きを阻害し、炎症を抑える働きがあるという研究結果が出ています。

11.循環器機能を改善する効果
妊娠中の下肢循環不全・鼻血・痔・月経困難症]についての臨床実験もされており、改善の効果が期待されています。

12.美肌効果
肌のハリや弾力を保つためには、コラーゲンやエラスチンというたんぱく質が必要です。肌には、コラーゲンを壊してしまう酵素(コラゲナーゼ)やエラスチンを壊してしまう酵素(エラスターゼ)が存在するのですが、これらの酵素が働いてしまうと肌の構造を内側から破壊してしまい、しわやたるみ、弾力の低下を招いてしまいます。
ビルベリー葉エキスは、この2つの酵素の働きを抑える働きがあるため、肌のしわやたるみを予防し、ハリと弾力のある肌づくりに役立ちます。

また、ビルベリー葉エキスには肌の炎症を抑制し、ニキビを予防する効果があります。
ビルベリー葉がもつポリフェノールには肌の老化に関わるシミやしわなどの原因となる活性酸素を消し去る作用があります。
このため、ビルベリー葉は、肌の老化を防ぎ若々しさと美しさを整える作用があります。
その他にも、ビルベリー葉エキスには肌の生まれ変わりをサポートしたり、肌の潤いを保つヒアルロン酸をつくりだし、しなやかさと潤いをアップさせる働きもあります。

ビルベリー