黒豆の起源は定かではありませんが、平安時代には既に黒豆が栽培されていたと考えられています。
古来より黒豆は体に良いことが知られており、黒豆の有名な産地である丹波地方や美作地方では、民間療法として咳が出たりのどに痛みを感じる時などに黒豆の煮汁を飲むと良いといわれています。
また、漢方の世界では数千年前より「黒豆衣(こくずい)」と呼ばれる生薬として、様々な症状に利用されてきました。
戦国時代の武士や忍者は、黒豆を主原料とした兵粮丸(ひょうろうがん)と呼ばれる自家製の丸薬を常備していたといわれ、江戸時代には本草綱目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう)[※1]に記載されるなど、昔から黒豆の効果や薬効が知られていました。
江戸時代幕末には、お正月のおせち料理として醤油や砂糖で煮た黒豆がすでに広く食べられていたことが書物に記載されており、現在でもお正月に黒豆を食べる習慣は残っています。

<豆知識>お正月に黒豆を食べる理由
「黒い色は邪気を払い災いを防ぐ」「黒い色は健康を意味し、マメに達者で皺のよる迄長生きを」という祈りや、「黒」が日焼けを意味し、水田でよく働くイメージにつながります。「丸」が太陽を意味します。「豆(まめ)」は精を出してよく働き、体が丈夫なことにつながると考えられ「一年間の厄払いをして、今年一年元気で働けるように」との願いを込めて、おせち料理に黒豆が食べられるようになったともいわれています。