よもぎとは???

ヨモギとはキク科ヨモギ属に属する多年草植物で、若葉を食用にする代表的な春の野草のひとつです。繁殖力が強く、いたるところで育つことができる野草で、乾いた道端によく生えています。ヨモギの葉は先がとがり、深い切れ込みが入っています。表面は緑色ですが、裏は灰白色の綿毛が密生しています。また夏から秋にかけて淡褐色の小さい花を多数咲かせます。

ヨモギは古くから切り傷、食あたり、下痢止めなど外用・内服を問わず利用されてきた薬草でもあります。沖縄ではヨモギのことを「ふうちばあ」と呼び、乾燥したヨモギの葉を煎じて、健胃剤として飲むことや、リカーに漬けたものをヨモギ(薬用)酒として利用したりしています。夏にはよく茂ったヨモギの葉を刈り取って乾燥させ、臼でついて綿毛を集め、灸の「もぐさ」としても利用してきました。
中国で古くから漢方薬として利用されてきたヨモギの葉は、別名「艾葉(がいよう)」といい、単独では消炎、収斂(しゅうれん)、止血、止瀉薬(ししゃやく)に、また、他の薬草と組み合わせて、腹痛や下痢止め、利尿、解熱、鎮咳、便秘などの改善にも効果的です。
ヨーロッパでもヨモギはリウマチや不妊に効果のある薬草として用いられてきました。ただし、妊娠中の摂取は控えたほうが良いとされています。
このようにヨモギは、昔から万能薬草として用いられるほど薬効が高く、栄養価も高い植物です。
またヨモギには美容効果も期待できます。ヨモギ蒸しという韓国の伝統的な民間療法により、女性本来の美しさを引き出します。

春から初夏にかけての若葉を食用とし、日本では草餅やヨモギ団子、おひたし、和え物、天ぷらやヨモギ茶として親しまれています。摘んだヨモギは、茎の堅い部分を折って取り除き、きれいに洗って塩を加えた熱湯でゆでます。アクが強いようなら、ゆで湯に重曹を入れるとアクを抜くことができます。ゆでたヨモギは水にとってそのまま1時間程おいて使用します。もち米に混ぜて、草餅やヨモギ団子などにするのが一般的です。
ヨモギは日本人にとって極めて身近な存在であり、あの独特の香りから春の訪れを感じる植物としても愛されています。
ヨーロッパなどでは、ヨモギの若葉を脂っこい料理の付け合わせに使用するなどされています。

よもぎ素材画像